人の一生を変えてしまうような出会いはそうなんどもないが、その旅が変わるような物語に出会うことはある。物語を知ることで、世界が変わること。それは見方が変わり、新しい視点が入ること。感受性がゆり動かされることで、目の前の景色の意味が変わること。それを知ったあとでは、もう元の世界には戻れない。
旅先でその地にまつわる映画と出会い、まるで主人公さながらに旅をした人も、その場所をテーマにした小説を読みながら、作家の視点で旅をした人だっているだろう。ともかくも、その地の物語を知ることであなたの旅は変わる。
令和元年度文化庁では、国内の空港10箇所で順次『メディア芸術×文化資源分散型ミュージアム』を展開。このプロジェクトでは、日本各地域の土壌が育んだ豊かな文化資源をアーティスト・クリエイターたちの視点で表現し、各地域の玄関口である空港等でメディア芸術作品を展示。作品は同時に、日本文化の新しい魅力に出会う旅の提案ともなっている。
中部国際空港で取り上げるのは茶の湯の文化。茶の湯とは、千利休が大成させたとされる茶道のスタイルであり、それに関連する美意識であり、哲学でもある。日本の代表的な文化にもかかわらず、単純明快に説明できる人はそういないのではないだろうか。それは、茶の湯の概念には、言葉ではなく体験によって初めて会得できるものが多いからかもしれない。ぜひ様々な体験を通して、あなたならではの「茶の湯」を見出して欲しい。
愛知県は、織田信長に始まり、豊臣秀吉、徳川家康など、大いに茶の湯を愛し、嗜んだ武将たち所縁の地だ。さらに、武士だけでなく、町人にも茶を嗜む人が多く、茶の湯が生活に根付いていたことが、名古屋の喫茶店文化のルーツとなったとも言われるほど。そんな茶の湯の世界を体験しに行ってみよう。
あなたのスマホがナビゲーターになり、旅に彩りを加える。どうぞ、片耳にイヤホンを入れながら、旅のお供に使ってほしい。これは、この地にまつわる物語。新しい目とともに旅ができることを願って。
愛知、茶の湯ガイド
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