──国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
この一節が語り継がれているのは、誰もがその通りの体験をするからだろう。それほどまでに景色は一変する。それもそのはず。雪国は日本一、いや、世界一とも言われる豪雪地帯なのだから。
「白銀の世界」といえば聞こえはいいが、住むとなれば話は違う。あまりの大雪に道は閉ざされ、家は埋もれ、雪崩に巻き込まれでもしたら、ひとたまりもない。今も昔も豪雪によるリスクはそうそうたるもの。
しかし、思い出してほしい。日本人の歴史の教科書に最初に出てくる「火焔型土器」。縄文時代を象徴するその土器は、ここ、雪国で発見された。つまり、それほど古くから人はこの地で暮らしていたのだ。
ここでひとつの謎が浮かび上がる。
「人はなぜ、これほどの豪雪地帯に住み続けてきたのか?」
それは、豪雪のリスクにあまりある魅力があったから。とりわけ「食」の魅力があったからではないだろうか。
それを知るには「雪国A級グルメ」。雪国A級グルメとは「永久」に守り継いでいきたい味のこと。B級グルメの多くは戦後の小麦粉文化を発端にするが、あの魚沼産こしひかりの土壌でもある雪国では、米を主体にした日本古来の食文化が根強く残っている。
あなたも雪国に来たのなら、この土地でしか食べられない「本物の味」を体感してほしい。そして、その美味しさの背景となる風景を旅してほしい。願わくば「北越雪譜」が描いた世界とともに。
雪国A級グルメ
“永久”に
忘れられない味になる
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