音で飛ぶ、寺社の新体験。アート活動、SOUND TRIPが始動

READIO ON THE TRIP vol.32


伝統とは、前衛の積み重ねである。
これは、ぼくが昨年、とある住職から聞いた言葉。
前人未到の新しい道をつくり続け、その中で生き残り続けたものだけが、伝統になっていく。そして生き残るものは、生き残らなかったものたちの影響からなる。
つまり挑戦をし続けることが、大切だということ。

ON THE TRIPでは2020年1月より、SOUND TRIPというアート活動に挑戦します。

SOUND TRIP公式ページ


日本各地のお寺や神社さんと連携して、それぞれの寺社ごとに世界中のアーティストを組み合わせ、その場所で収録した音を使い、そこでしか聴けない音楽を制作。
まずは京都でスタートします。
その音を聴くには、その場所に行かないといけない。その土地でゆっくりと座り、聴くからこそ意味のある音楽。そんな体験を世界中のアーティストとつくります。

いま、スマホをひらけば、いつでも好きな場所で音楽を聴けます。でもその場所で聞くから、意味のあること。体験が変わることがあります。どこでもいいわけじゃない。
たとえば旅先で、その地に昔から伝わる民謡を発見したとき。あるいは、その土地について語られた歌に出会ったとき。
それは僕たちの旅のテーマソングとなり、ともに旅をする。そしてその音を聴くたびに、あの旅の感動がよみがえる。そんな体験に、心当たりがある人もいるはずです。

19歳でアメリカを横断するときにニューヨークで聴いた、Donny HathawayのSomeday We’ll All Be Free。ロサンゼルスからグランドキャニオンの道中で聴いた、Lou Reedの「Take a walk on the wild-side」。沖縄の福州園に滞在していたときに聞いた、「Road to Naminoue」。
この曲たちは今でも、ぼくのテーマソングとなりその時の情景が目の前に現れます。

旅の情景。
それをつくるため、僕たちON THE TRIPは、その場で聴くことに意味のある音楽をつくることにしました。

まず、第一弾として京都にある壬生寺、貴船神社、三千院をリリースします。

壬生寺のアーティストは、Kyoka。貴船神社のアーティストは、コムアイ(水曜日のカンパネラ)とオオルタイチ、三千院のアーティストはYosi Horikawa。
それぞれその寺社で流れる音、たとえば川を流れる水の音や鳥の鳴き声、滝の音、声明などを収録し、その音を使いながらそこに行かないと聴けない音楽体験を制作。訪れる参拝者は、指定の場所で体験料(300円)を支払い、音楽を聴きます。

壬生寺の音楽は、ベルリン在住で電子音楽を制作するKyokaが、水が生まれる地である壬生寺(水生寺)にて地下より湧き出る水の音とお囃子を電子音楽と組み合わせた作品を制作。

貴船神社の音楽は、コムアイ(水曜日のカンパネラ)とオオルタイチの作品。奥宮の地下に眠っているといわれる龍穴に、マイクを垂らし、音が聴けたら、どんな音がするだろう、という想像をふくらませて制作したもの。しばらくしたら、貴船神社を流れる水をテーマにした音楽に変わるため、初回だけの期間限定配信。

三千院の音楽は、フィールドレコーディングで有名なYosi Horikawaが三千院が発祥の声明を収録し、さらに自然豊かな大原の山の音、鳥の鳴き声などを採集し極楽浄土の音を再現しました。

今後は、京都の社寺を中心に提携しながら日本各地へと広げていきます。
当時、最先端で活躍していたアーティストの狩野永徳や長谷川等伯の作品がお寺や神社で展示されていたように、寺社は文化サロンであり、伝統とは前衛の積み重ねだから。

そしてその作品が、その場所で聴くことに意味があるもの、サイトスペシフィックなものとして展開していきます。

これをとっかかりにどうか、この地の物語を探ってほしいと思います。
なによりその音楽が、このたびの旅のテーマソングになることを願って。

SOUND TRIPは、それぞれの寺社で体験できます

壬生寺アーティスト
Kyoka


現代の実験 ・電子音楽の最高峰としてそびえ立つレーベル”raster-noton”における、初の女性ソロアーティスト。 ベルリンを拠点に活躍している。そのライブパフォーマンスはファンを虜にし、インスタレーションやApple(世界)などのCM音楽を制作するなど活動が多岐にわたる。
shure x mixcloudの共同企画で、「世界のオーディオ文化の境界線を押し広げるアーティスト24人」に選出され、さらに一般投票でその中のトップアーティストに選ばれた。

三千院アーティスト
Yosi Horikawa


環境音や日常音などを録音し、独自の楽曲をつくるサウンド・クリエイター。 2010年、仏Eklektik Records からEP『Touch』でデビュー。2012年のEP『Wandering』2013年の初アルバム『Vapor』共に多数媒体のBest Album of the yearに輝く。またリリースの度にワールドツアーを行い、英Glastonbury Festivalを始めとする世界最大級のフェスティバルにも多数出演。 建築家隈研吾とのコラボレーションやCM・ラジオでの楽曲制作、またサウンドシステムの設計など幅広い分野において活動する国際的音楽家である。

貴船神社アーティスト
コムアイ(水曜日のカンパネラ)×オオルタイチ

3人組の音楽ユニット・水曜日のカンパネラでボーカルを務めるコムアイ。そんな彼女と、 オオルタイチが2019年より屋久島とのコラボレーションを試み、一枚のEP「YAKUSHIMA TREASURE」が誕生した。現在、この作品と同名のユニットで二人はライブを重ね、即興性を増し実験を繰り返しながら、ライブと制作を行っている。このユニットの新たな取り組みとして、貴船神社のSOUND TRIPがスタートした。


企画をご一緒にしたいお寺や神社さん、美術館などを運営している施設の方はぜひ、ご連絡をお待ちしています。

提携のご連絡、詳細はこちら

ON THE TRIP. ぼくたちの旅は続く。

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