匠の音、その物語。駿府の工房「匠宿・泉ヶ谷」公式オーディオガイドをリリース
株式会社ON THE TRIP(所在地:東京都港区)は、株式会社創造舎(代表取締役:山梨 洋靖)と共同し、静岡県静岡市に位置する、国内最大級の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」の公式オーディオガイドをリリースしました。
このガイドでは、館内でできる体験の案内に加えて、街を歩きながら体験するガイド、さらには匠宿に隣接する宿「泉ヶ谷 工芸ノ宿 和楽」でしか聴けない瞑想音楽の体験を制作しました。
はるか昔から、「古代東海道」が通る宿場町として栄えていた丸子・泉ヶ谷。
東海道の要所として発展してきた丸子・泉ヶ谷には、日本中から集められた職人たちがその腕を振るい合い、今なお職人たちが残したものづくりの技は受け継がれています。
匠宿は、その伝統工芸の技術を受け継ぐ職人のもとで、さまざまなものづくりを実際に体験することができる施設。
駿河竹千筋細工、染めもの、木工、漆、陶芸、模型と、6つの伝統工芸ごとに体験工房が分かれています。そのほか工房以外にも、地域の特産を使ったカフェや和菓子屋、匠宿伝統工芸会館やギャラリー、地元静岡の木をふんだんに使ったキッズ向け木育スペースなど、工芸体験だけではない、さまざまな楽しみ方が体験できる施設です。
本ガイドでは、匠宿に受け継がれてきた伝統技術の工房とその歴史を紹介するとともに、匠宿から少し足を伸ばし、「古代東海道」に散らばる7つの不思議を辿る旅へとご案内します。
ここでは、本ガイドの内容を少しご紹介します。
伝統技術が息づく音に、耳をすませる
耳を澄ませると、音が聞こえてくる。
この音は、一体何の音だろう。
これは染めものを染める際の水の音。
この工房では染めものを体験することができます。
今川時代には安倍川流域で木綿の栽培がおこなわれており、それに伴い近郊農村では染料の藍の栽培が盛んにおこなわれました。
静岡には今でも布に関した地名が多く残り、職人たちは現在もそれぞれの手法や表現で作品を制作し、多種多様な染め文化を築いています。
ここでは藍の絞り染め、お茶染めの抜染体験や自分の好きな色で染められる型染めを体験することができます。
下絵、型彫り、糊置き、色差し、水元といった多くの工程を経て完成した柄が浮かび上がった瞬間の喜びは格別。
染めものは染め上がりの美しさも素敵だが、時間を経るとともに色が変わっていく過程も楽しむことができる。まるで人の人生のように移り変わっていく染めものの色に、きっと愛着も増していくことでしょう。
本ガイドでは、匠たちが奏でる音に導かれながら、これから匠宿が受け継いでいく物語たちをオーディオガイドでお伝えします。
各工房の音声ガイドを聞きながら、チャレンジしてみたいものづくり体験を探してみてください。
今なお、泉ヶ谷を見守り続ける、千手観音像
ひっそり佇むのは「千手観音堂」。
腰をかがめると、扉からお堂の中を覗くことができます。ほの暗いそれぞれのお堂の奥には、千手観音像と薬師如来像が祀られています。
この千手観音像は、もともとはこの泉ヶ谷地区のものではありません。約800年前に別の地域で見つかり祀られていた千手観音像ですが、旅人の夢枕で「泉ヶ谷に入れてくれ」と頼み込まれたという逸話をきっかけに、泉ヶ谷へ。
一度は元の地域に戻りましたが、その期間に様々な災いが起こってしまい、再び泉ヶ谷の地に移されることになりました。すると、不思議と、平穏な日々に戻ったのだといいます。それが約400前の話。
現在の場所へと落ち着いて、さらに400年。
千手観音像はこの泉ヶ谷の地域を見守り続けています。
このように、オーディオガイドでは、決して観光情報誌では知ることのできない、その土地が積み重ねてきた歴史を辿り、旅の視点が変わるサブルートへご案内します。
オーディオガイドで観光のDX化をしたい施設や自治体を募集中
株式会社ONTHE TRIPは、まちの歴史、その土地が持つ物語について丹念に取材を行い、まるで映画や小説のように人の心を動かす作品のようなガイドを制作しています。ガイドを聴くことにより、訪れた場所への理解が深まり、旅の体験がふくらみます。
現在、提携先の施設や自治体を募集しています。オーディオガイドは制作費を頂いてつくるものと、制作費を無料で実施する取り組みがあります。無料で実施する場合も、多言語(英語、中国語)の音声・テキストの制作、ポスターやMAPなど各種ツールのデザイン、WEB制作、書籍制作やデジタルマーケティングなど、ガイドに必要な制作物を無料でお作りいたします。
その代わりにオーディオガイドを含めた入館料を設定し、その料金をシェアしていただくという仕組みです。例えば、入館料が500円の施設の場合、800円に再設定していただき、その代わりに施設の情報や魅力を深く理解するためのツールとしてオーディオガイドを提供していただきます。差額の300円×利用者数の収益を、施設側とONTHE TRIPで、互いにシェアするという流れです。
この取り組みは、日本の文化財の入館料は他国と比べて安く、来場者がどんな体験ができるのか十分に伝わっていないという課題からスタートしました。日本の文化財には誇るべき物語があるにもかかわらず、まだまだその魅力を来場者に伝えられていません。私たちはこういった課題を、デジタルを使ってアップデートしたいと考えています。
ON THE TRIP. ぼくたちの旅はつづく。
オーディオガイド 制作に関しての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
ご興味のある方は、弊社までお問い合わせください。
info@on-the-trip.com