今はシャッターが降りる商店街。富士吉田市の下吉田にある「西裏地区」と言われても、知らない人のほうが多いだろう。しかし、そのシャッターの奥で眠っていた古写真を集めてみると、かつてカメラの“シャッター”に焼きつけられたさまざまな物語がよみがえる。
それは、機織りで稼いだお金を握りしめ、夜な夜な遊び明かした人々の記憶。そんな彼らをもてなし、盛り上げた商店街の人々の記憶。この西裏で彼らは酒を飲み、恋をして、ときには大きな声では言えないようなやんちゃもした。
その物語を聞いていると、現在がいかにお行儀のよい時代であるかがよくわかる。もしかすると、人間はもっとやんちゃに、自由に生きてよいのではないか? そんなふうに、彼らが羨ましくなったりもするのだ。
これは、シャッターからはじまる物語。まずは、かつてのメインストリート「月江寺大門商店街」から旅をはじめよう。
西裏・下吉田
シャッターからはじまる物語
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