平等院
1000年を超え、理想郷へのタイムトリップ

極楽いぶかしくば 
宇治の御寺をうやまへ

これは平安時代に記された本の一節。「極楽浄土の存在を疑わしく思ったなら、平等院を拝みにいきなさい」という意味になる。

平安時代中期、人々は世の中を「末法の世」と呼んでいた。末法の世では仏さまの教えが乱れるとされ、同時期には天災も多く、武士が台頭したことで治安も悪くなっている。だから、見えない明日を生き抜く人々は極楽浄土を追い求めた。

「極楽浄土に行けば、苦しみなく心おだやかに暮らすことができる」と信じる人が増えたこともあり、平等院は現世に極楽浄土を再現するために作られた。

事実、その中心となる鳳凰堂は、浄土の再現のためにあらゆる工夫が凝らされている。内部もまた壮麗な装飾が施され、かかった費用も莫大だ。誰も見たことがない「浄土」というイメージを具体的な形で表現することはとても困難だったに違いない。

このガイドでは、平等院に残るさまざまな仏像や工芸・美術品、そして平等院を受け継ぐ住職のお話から「極楽浄土」についてガイドを進めたい。人々が追い求めた浄土。それは現世においてどのように再現されたのだろうか?

平等院住職、神居文彰氏を語り部に招き、物語の幕が開く。

>>続きは、アプリでガイドをダウンロードして読むことができます。

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