STEP8|「あとは仕上げを残すのみ」天井を貼り、座席を取り付け、備品を買いそろえる

TIPS
・天井や窓上などのトーンを全体に合わせる
・座席まわりを整えて、取り付ける
・カーテン、照明、コンロなどの備品を設置

TOOLS
ベニヤ板、突き板、両面テープ、座席、クッション、コンロ、その他

天井や窓上などのトーンを全体に合わせる


さて、床や壁を貼り、家具やキッチンを作り、電気まわりを工事して、外装を整える。それらが終われば、あとは内装の仕上げのみ。

バスで生活や仕事ができるように改造する、その工程は意外と単純なものだと思わないだろうか。ぼくたちの家には、実に様々な機能があるように思えるが、最低限の暮らしに必要な物とは、単純なものなのだ。自分たちで作ってみると、よくわかる。

さぁ、仕上げに取りかかろう。まずは、天井。もとからあった天井のかわりにベニヤ板を貼ることにした。板をたわませてはめるだけの簡単なお仕事。寸法さえ合わせておけば、きちんとハマった。ベニヤ板は加工もしやすい。天井のランプ型にカッターでくり抜けば、ランプ自体はもとからあったものを活かせる。念のため、最後にベニヤ板をネジ留めしておいた。



次に、窓上の空調の通り道となっている部分。ここは少しやっかいだった。急なカーブを描いているためだ。いちおうベニヤ板を貼りつけようと試してみたが、曲面に沿うようには貼れず、なんとも不格好だった。そのままでも生活には支障がないのだが、どうせなら床や天井の木のトーンに合わせたいではないか。



ベニヤ板より薄い木を探してたどり着いたのが「突き板」だった。本物の木だが、画用紙のように薄い。購入したときは肌色に近い無垢な色だったが、床に使ったのと同じ防腐剤を塗ると味が出た。あとは、空調の出口の形にあわせてカッターでくり抜いて、両面テープで貼り付るだけ(これが微妙に剥がれて浮いてくるので改良の余地がある)。



そして、最後にもう一箇所。バスのお尻の部分に不格好な部分が残っていた。これも、はがしてみたのだが、この複雑な形を木で再現することは、ぼくたちには難しい。そこで、このパーツ自体はそのままに、塗装であまった黒スプレーを使って色だけを塗りかえることにした。



座席まわりを整えて、取り付ける


さて、今度は座席まわり。まずは生地屋さんに行って生地を見せてもらう。1,000種類を超えるのではないかという生地の中から、ひとつを選んだら、まずはクッションづくり。これは、裁縫が得意な友人にお願いすることにした。クッションの中身はネットで激安のヨガマットを買って中身だけを取り出した。それを新たな生地で包んでもらうというわけだ。



そして、座席の取り付け。運転席と助手席はいじらないとして、乗車席を4席。これは、もとからついていた座席を再利用した。基本的には外した座席をもとに戻すだけだが、ぼくたちはBOX席にしたかったので、全員が前を向くのではなく、運転席の後ろの2席だけは運転席と背中合わせになるように取り付けたかった。こうなると、「もとに戻すだけ」というわけにはいかなくなる。

ぼくたちも固定する方法をいろいろ試してみたのだが、なんとも固定具合が頼りない。座席は頑丈に取り付ける必要があるだろうと、平成エンタープライズの社員であり、ガレージの主であり、ぼくたちの工事をいつも見守ってくださっていた、今村さんと萩原さんに相談することにした。すると、鉄を溶接する工程を含めて、ものの30分で取り付けてくださった。



このように、ぼくたちのバスは「自分たちだけでDIYした」とは言えないだろう。平成エンタープライズの田倉社長、今村さんと萩原さん。そのほかにも、さまざまな協力者たちの力を借りて作ったものだ。その意味で、ぼくたちが偉そうに言えることは少ないかもしれない。バスを改造しようという同志には、曲がりなりにもなんとかなるということ、そして、その工程をイメージするだけでも役に立てたらと思っている。



ただ、ぼくたちもちゃんと自分たちだけで、できるようになりたいと思う。今回は頼った部分も、次回は自分たちで。実際に、バスで暮らしながらアップデートしていきたいと思っている。

カーテン、照明、コンロなどの備品を設置


さて、あとは備品を買うだけだ。カーテンは無印良品でオーダーメイドすることもできる。が、ぼくたちはカーテン生地を買って、これもまたクッションを縫ってくれた友人に頼むことにした。



残りは、照明とカセットコンロ。コンロは「キャンピングカー申請」の際に必ず必要となるので注意してほしい。あとは、ぼくたちの手荷物。バスの収納BOXは容量が限られているが、必要な物は「寝袋」と「着替え」ぐらいのもの。



とにかく、これまで記載してきたもので、最低限必要なものは揃った。さっそく「キャンピングカー申請」をするために車検を通しに行く。なぜ、キャンピングカー申請が必要なのか。これは、「コラム1」で紹介した通りだが、現在の状態では、普通免許しか持っていないぼくたちは運転ができない。たとえ、仮ナンバーをつけても、だ。ぼくたちは、中型免許を持っている今村さんに運転してもらって車検場まで運んだが、中型免許を持つ運転手を探すサービスはネット上にも存在する。



そして、無事にキャンピングカー申請を通過。新しい車検証を手にいれることができた。これで、晴れてぼくたちも運転できるようになったというわけだ。さっそく試運転に出たいものだが、バスの運転って、どうやればいいのだろう?


VAN THE TRIP. ぼくたちの旅は続く。
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