三千院でしか聴けない音楽「Shomyo」

Yosi Horikawa * 三千院

平安時代。飢饉や災害が多く、誠に生きにくい時代でした。
現世ではなく来世こそ幸せになりたい。そう願う人々が増えていました。
この大変な世界からわずかな時間でも離れ、未来に極楽浄土を願う。
三千院にある往生極楽院は、そんな来世に願いを込めた人たちが集まる場所でもありました。
ここが発祥とされる声明も、響いていたことでしょう。

2020年1月より、三千院でSOUND TRIPの取り組みをスタートします。
三千院では極楽浄土を願うという物語から、未来へ祈ることをテーマに音楽を制作。アーティストは、環境音や日常音などを録音し、独自の楽曲をつくるサウンド・クリエイター、Yosi Horikawa。2012年のEP『Wandering』、2013年の初アルバム『Vapor』共に多数媒体のBest Album of the yearに輝くアーティストです。

彼とともに、三千院が発祥とされる声明をメインに、大原の山に響く鳥の鳴き声や川の音を用いて音楽を制作しました。中でも、声明法師が修行を重ねることで滝の音と自分の声が一体となり、
滝の音が消え声明の声のみが響いたと言われる、音無の滝の音も収録。

三千院でしか聴けない、三千院で聴くことに意味のある極楽浄土を現した音楽。

来世や極楽浄土と聞くと、現代を生きる私たちには無縁のように聞こえるかもしれません。
でも、来世も極楽浄土も、未来のこと。
この三千院には昔から、未来に思いを馳せて、仏に手を合わせる人々が集まっていました。

ある人は健康な未来を願う。
ある人は恋人との幸せな未来を祈る。
ある人は家族の安全な未来を。
中には、権力を願った人もいたでしょう。
ある人は普通の日常が続くこと願ったかもしれません。

まさに三千院という名前が、
「一瞬、一瞬には三千の思いが存在する」に由来するように、
あらゆる思いがここで生まれていました。

当時の人たちは時代背景や環境は違えど、私たちと同じ人間。
そんな人々が未来を思い足繁く、わざわざこんな山奥まで足を運び、願っていたのです。

今、あらゆる物事がそれも目まぐるしいスピードで動いています。
時代のせいか、ゆっくりと考える時間が少ないかもしれません。

だからここ三千院では、
ゆっくり自分に向き合い、未来を考える時間をもって欲しいと思います。

未来に何を祈るか。極楽浄土とは何なのか。
そんなことを考えながら聴いてほしいと思います。


この体験は三千院でできます


三千院アーティスト
Yosi Horikawa


環境音や日常音などを録音し、独自の楽曲をつくるサウンド・クリエイター。 2010年、仏Eklektik Records からEP『Touch』でデビュー。2012年のEP『Wandering』2013年の初アルバム『Vapor』共に多数媒体のBest Album of the yearに輝く。またリリースの度にワールドツアーを行い、英Glastonbury Festivalを始めとする世界最大級のフェスティバルにも多数出演。 建築家隈研吾とのコラボレーションやCM・ラジオでの楽曲制作、またサウンドシステムの設計など幅広い分野において活動する国際的音楽家である。


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SOUND TRIPは、京都市と公益社団法人 京都市観光協会が取り組む、「とっておきの京都プロジェクト」DMC事業支援制度のサポートを受けております。

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