仁和寺の仁王門に到着すると、すぐ目に入ってくるSOUND TRIPのブース。ここで音楽を体験すると、不思議と仁和寺に吹く風を感じるはずです。実際に、お経の音、砂利の音、さらには水の中の音など仁和寺に存在するあらゆる音を収録してつくりました。アーティストは、タブラ奏者のユザーン氏と、数多くの作曲を手掛ける蓮沼執太氏。
この体験は、
仁和寺指定の場所で聴けます
仁和寺に吹く風
仁和寺は、史上はじめて法皇が住持されたお寺です。法皇とは「出家された天皇(=僧侶になった天皇)」のことで、仁和寺は創建から、明治維新に至るまで、皇子皇孫が代々、住職を務めた門跡寺院と言われています。
仁和寺が創建された平安時代は、国風文化が大いに流行した時代。国風文化とは平安時代中期に日本で栄えた文化で、この時期に日本独自の文学や建築、服装などあらゆる文化が発展しました。日本独自の文字である仮名が生まれたのもこの頃で、紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」も国風文化がなくては生まれなかったもの。
仁和寺では、かつては幾度も歌会が開かれ、現在も、華道の流派「御室流」の家元として華道総司庁を務めています。
最先端の文化を愛して育んだ仁和寺初代門跡、寛平法皇(宇多天皇)を初めとし、歴代門跡が見初めた文化人の集った仁和寺は、まさしく国風文化発祥と発展の地と言えます。
つまり仁和寺は、今も受け継がれる日本文化に流れる風が、生まれた場所なのです。
仁和寺でのSOUND TRIPは、「風」をテーマに二人のアーティストが実際にフィールドレコーディングをし、ここでしか聴けない音楽体験をつくりました。アーティストはタブラ奏者のユザーン氏と、数多くの作曲を手掛ける蓮沼執太氏。仁和寺に吹き付ける風の音、お経の音、砂利の音、さらには水の中の音など仁和寺に存在するあらゆる音を収録。
この音楽から、仁和寺の風があなたに吹くでしょうか。
蓮沼執太&ユザーン
音楽家の蓮沼執太とタブラ奏者のユザーンによるユニット。2012年から様々な形で共演・共作を続けている。2016年に公開された映画『マンガをはみ出した男 赤塚不二夫』のサウンドトラックを担当した。2017年、ゲストにアート・リンゼイ、坂本龍一、デヴェンドラ・バンハートらを迎えたアルバム『2 Tone』を発表。翌2018年には同アルバムのアナログ盤が世界発売され、ニューヨークでリリースライブを行った。