2019年から始めた新プロジェクト、入館料インクルードモデルの第一弾をリリースしました。その舞台は、小豆島は土庄の迷路のまちにある妖怪美術館。2019年4月26日よりリニューアルオープンしました。
妖怪美術館は瀬戸内国際芸術祭の県内連携事業で、アーティストの柳生忠平氏をはじめ世界中のさまざまなアーティストがつくった現代の妖怪が800体以上集められている美術館。
ON THE TRIPでは、ポスターやリーフレットなどすべてのグラフィックデザイン、ウェブLP、施設の導線設計、そしてそれらをすべてつなぐオーディオガイドを制作しました。オーディオガイドを聴きながら巡る、体験型の美術館です。
結果、今までで一番多がかかりなプロジェクトとなりました。
妖怪はいるのか、
いないのか
新しい妖怪美術館では、気づけなかった妖怪の姿を発見してもらえるような内容になっています。なぜ、日本で妖怪は生まれたのか?それらはどのようにして生まれたのか?そして、現代にはどのように存在するのか。妖怪を探る旅は、僕たちにとっても日本を見つめ直す旅になりました。アニミズムにはじまり平安時代と飢饉、そして柳田國男が探ったように地域に根付いてきた文化を知ることで、妖怪の姿が徐々にくっきりと見えてきました。妖怪は日本の民ととともに生きていたのです。
<妖怪アーティストの柳生忠平氏>
60分後には、
妖怪が見えてくる
この妖怪美術館は全部で5つの施設で成り立っています。
一号館では、妖怪の起源をアニミズムに見ながら江戸時代の娯楽、そして現代に至るまでを紹介してます。
二号館では、ドデカ妖怪と題して最近小豆島に住みついた現代の大きな妖怪を展示。
三号館では、平成妖怪図鑑というテーマで現代に生きる妖怪を紹介しています。世界中から800体以上妖怪が集まるこの美術館だからこそできること。
そして四号館は暗い部屋の中で瞑想することで見えてくる妖怪がいます。
五号館は台湾のアーティストが妖怪を制作し、彼らが感じる現代の妖怪を古民家の中に点在しています。五号館の建物は無料で見れます。
ガイドを聴きながらすべてをめぐると、最低でも60分はかかります。それでも終わった後にはいままでみていた景色が間違いなく違って見えます。それはまるで世界旅行をした田舎の学生が、成田空港からそのまま故郷に戻ったときに、これまで見えていた景色がまったく違って見えるような。そんな妖怪に対する発見があるはずです。
妖怪美術館のリニューアルに伴い、中の制作なども180度変えこだわったために入館料をあげました。だから入館者数は減るかもしれないとまわりに言われましたが、事実入館して2週間、過去最多入館者数を更新している状況です。
妖怪はどこにいるのか?
ぜひ、その耳で確かめにきてください。
<メインナレーションをしてくれた、白石小百合さん>
ON THE TRIPでは、このようにオーディオガイドをとおして、お寺や神社、美術館の魅力を再定義し、多くの人に伝えられるようにして、付加価値を一緒に提供する施設との提携を進めています。
お問い合わせは気軽に、info@on-the-trip.comまでご連絡ください。
PS
最後に、このプロジェクトに多大な理解とともに新しいことに挑戦してくれた皆さまにお礼申し上げます。妖怪アーティストの柳生忠平さん。妖怪美術館をはじめ、迷路のまちを運営するMeiPAMの佐藤さん、みきさん、野村さん。そして、そもそも大地の芸術祭でお声かけくださった柳生忠勝さん、ちえこさんありがとうございます。
このガイドを制作してくれたライターのあきこさん、トムさん。無茶なほどあらゆるデザインを制作してくれた太田さん、妖怪がより活き活きとなるよう撮影してくれた本間さん。ウェブデザインをしてくれたいびちゃん。そして、本当に妖怪がナビゲートするようナレーションをしてくれたさゆりさん、今回のコンセプトにあったバックミュージックを作った糸山さん。翻訳のオータム、テイさん。
素晴らしい仕事をありがとうございました。