「24時間」あったら、何ができるか? 旅のロールモデルをつくりたい
さて、今回のニュースは「ON THE TRIP のPR動画をリリースしました!」というような話ではないんです。ぼくたちはアプリのガイドだけでなく、各スポットで動画も撮影していきたいと考えているのですが、まずは「One day in」というコンセプトについて、成瀬さん、お話いただけますか?
成瀬:ひとつの地域にフォーカスして「ON THE TRIPの観光体験」と呼べるものを作っていきたいんです。たとえば、「奈良のお寺のガイドを作ったら、次は北海道に行く!」のではなく、「奈良市」にある文化財に集中してガイドを増やしていきたい。ひとつのスポットで ON THE TRIP のガイドに出会ったら、そこから導線が生まれて次の場所につながっていくように。そこで、ひとつの地域を丸一日でまわろうとしたときのロールモデルを作りたいと考えたのが「One day in Tokyo」であり、「One day in」シリーズ。この動画には、アプリを実際に使っているシーンを挟んでいますが、ぼくたちがガイドを作った場所や、本当にお薦めしたいお店が詰まっているんです。
1日の旅のロールモデルをつくる。それを全国のスポットで動画にしていくわけですね。その第1弾が今回のTokyo編。アプリで現在公開中のスポット「浅草寺」や「新宿御苑」、まもなく公開予定の「明治神宮」も動画に出てきますよね。
成瀬:スポットだけでなく、カルチャーもはいっています。「禅」「寿司」「蕎麦」「温泉」。どれもぼくたちがガイドを作ったものです。
まさに、ON THE TRIPのある1日。Tokyo編の見どころはどこでしょう?
成瀬:この1日は、ぼくにとっても理想の1日なんですよね。ぼくが東京に住んでいますが、実際に早起きしてお寺に行って禅をして、そのあとに朝ごはんを食べたりするんです。まさにこの時間ですよ。6時55分に香林院に行って1時間ぐらい禅をして、仕事にいく。もし、ぼくが旅人だったら朝ごはんのあとに明治神宮や新宿御苑に行きたいなって思うんです。
成瀬さんは、銭湯やサウナにも実際に通ってますもんね。
成瀬:動画にある戸越銀座の銭湯が好きなんです。サウナも撮ったんですけどね。時間の都合でカットするしかありませんでした。ほかにも撮りたかった場所はたくさんあったんですが、動画に出てくるお店は「おにぎり屋」も「寿司屋」も「蕎麦屋」も、ぼくがお薦めしたいお店で撮らせてもらいました。お店の名前は動画の説明文に入っています。
ほぼドキュメンタリー。実際に1日で撮った動画だから伝えられること
どうやって撮ったんですか?
成瀬:この動画、1日半で撮ったんですよ。朝6時半に広尾の香林院で待ち合わせをして、撮影は本間寛さん、モデルはケイシーくん。作曲家のRyoさん、宇野さんにも同席してもらって、実際にほぼこの動画のスケジュール感で動いてるんです。
ノンフィンクションというかドキュメンタリーに近いわけですね。
成瀬:ほぼ。めちゃくちゃ大変でしたけどね。大きい三脚や重たいキャリーケースを担いでバスに乗ったり電車に乗ったり走ったり。
それって、1日のロールモデルとしては忙しすぎないですか(笑)?
成瀬:撮影ですから(笑)。旅を楽しむ時間と撮影をする時間をくらべると、気持ち1.5倍ぐらい時間がかかる。撮り直しも何度もしましたからね。
ぼくは、渋谷のスクランブル交差点のシーンで「結婚式をしている(?)人たち」の見ながら歩いていくシーンが印象的でした。
成瀬:あれは偶然です。撮影のためにスクランブル交差点を5往復ぐらいしましたが、最後にあのシーンが撮れました。「最後の最後でいい画が撮れたね」って。
成瀬:ぼくたちのガイドは「その場で」読むことを想定したガイドですが、この動画シリーズは「旅をする前に」見てほしいと思っています。1日でここまで楽しめると具体的にわかると親近感が湧くと思うんです。 美しい映像を見ただけでは夢物語だと思うかもしれませんが、実際に1日でここまで旅ができる。そんなに大変なことじゃないんだと、ハードルを下げる要素になるんじゃないかと。そうして、「1日あればこんな体験ができるんだ、それならやってみたい」というワクワク感を作り出したいんです。日本に来る前にこの動画を見て、具体的にどの体験をしようかなと想像体験をふくらませる。そして、実際に行ってみるとそこに ON THE TRIP のガイドが置いてある。そういう流れが生まれたらいいなと思って。だから、この動画をたくさんの人たちに見てほしいし、いろんな人たちに取り上げてもらえたら嬉しいですね。
音楽も自分たちで、ゼロからつくりました
作曲家のRyoさんにもお話を聞いてみたいと思います。今回の曲はどんな発想で生まれたのでしょうか?
Ryo:旅っていろいろな要素がありますよね。外界のあらゆる色や音、匂いに刺激されたり、内省したり、期待を膨らませながら目的地に向かって歩いたり、あるいは何も考えずに気ままに歩いたり。そういう様々な要素を旅の醍醐味として楽しみ、展開していくストーリーに身を委ねながらも、振り返った時には全体が感情の動きやインスピレーションに満ちた時間だったなと思えるような、そんな物語をイメージしています。
動画にあわせて曲調も変わっていって、そこに物語を感じますよね。
Ryo:違うテイストの3つのテーマで構成していますが、ひとつの糸でつながっているようなイメージで作りました。 それぞれのテイストのギャップと、次のパートへの展開の仕方が曲のポイントになっていると思います。撮影にも同行させていただき、その時にふっと浮かんだメロディーを中心に置いてそこから膨らませていったんです。
"Lumière" という曲タイトルにはどんな想いがこめられているのですか?
Ryo:撮影の日、明治神宮や新宿御苑は明るくて緑が溢れていて。「光」という言葉が浮かんだので、フランス語で光を意味する "Lumière" というタイトルにしました。ON THE TRIP を知って作曲をはじめたとき、ぼくたちはそれぞれ別々のことをやってきていて、それでも今ここで出会って同じ時空間を共有し、ひとつのものを共に作っている。そのことがうれしかったんです。それぞれの場所で発した光が交差し、未来に向かって進んでいけばいいなという想いもこめました。
Ryoさん、ありがとうございます。この動画はモデルのケイシーくん、そしてカメラマンの本間寛さんのお力添えがあってこそ完成したものですが、メンバーについては、また改めてご紹介したいと思っています。
ぜひ、次の動画もお楽しみに!