内面を旅する、禅・メディテーションアプリ「InTrip」リリース

ON THE TRIPから禅の新サービスリリース


株式会社on the tripは、2020年7月7日に、禅・メディテーションアプリ「InTrip」をリリースしました。 それも、世界中の経営者が通う禅寺で有名な建仁寺・両足院の東凌和尚と提携して制作した、本格的な禅・ 瞑想アプリ。日本語と英語の2言語で展開します。
毎日の生活に禅を取り入れるにはどのようにしたら良いか?現代のビジネスマンにも活用できるのか?その アプローチから、多数の禅プログラム、瞑想音楽、そしてリアルタイムで参加できるオンライン坐禅を提供 します。

InTrip公式ページ


iPhoneの方はこちらからアプリダウンロード

とても小さな、美しい世界


成瀬:ぼくたちはON THE TRIPというオーディオガイドの会社を3年前に立ち上げて、あらゆるスポット、それはお寺や神社、美術館や街そのもので、その場所にある物語を伝えてきました。ガイドを作るのに、実際に現場に訪れて、滞在しながらガイドを作れたらいいと思って、バンをオフィスにして、日本各地を転々としていました。コロナもあり、最近はほとんどバンは動いていないのですが笑


志賀:この3年、冬になるとバスを沖縄に移動させて冬をやり過ごし、春になるとまた本土に戻るような生活でしたが、まさかコロナで沖縄から出られなくなるとは。もう7月ですが、夏の沖縄はさすがに暑すぎてバスで寝られません。ので、わざわざバスからすぐ近くのホテルで生活していますよ笑 とはいえ、コロナの少し前くらいからバスにいる時間は徐々に減ってきましたね。


成瀬:たしかに、苦笑 バンに泊まるのが減った一方で、地方の旅館とか、とにかくいろんな場所に滞在することが多くなりました。文字通り旅をしながら暮らす生活。そんな生活をする中で、ぼくの中でたしかに変わることがいくつかありました。暮らしは都会にいた時よりも、とても自然と近い生活。たとえば、バンにいると、寝転びながら窓を開けて吹いてくる風が気持ちよかったり、外に小さな花を行き来するミツバチに喜びを感じたり。バンでは太陽光パネルで電気を発電するので、光のあたり具合を気にしたり、日の出の長さに気付くようになったり。うりずんの季節の沖縄で草花が緑づくことに感動したり、里山で山菜の力強さに驚いたり。とても小さい、そして美しいものに気付けるようになったことが、この3年間で一番大きく変わったことでした。



志賀:自然に近いって、とてもわかるなぁ。御殿場あたりで「虹の根っこがすぐそこだ!」と自転車をおろしてふたりで走り出したこともありましたね。漕げども漕げどもたどり着けないのが、またよかった。あとは夕日。ぼくはあるときから毎日、夕日を見る時間を大切にしています。会社に勤めていたころは、朝、出勤して働いて会社から出るころにはいつのまにか夜になっている。そんな日々を繰り返していました。でも、小笠原を旅したとき。旅先ということもあって、毎日、欠かさず、夕日を見るために山を登って夕日が落ちる瞬間を眺めていました。きれいなまんまるが落ちていく日もあれば、お日様は雲に隠れてしまっても驚くほどきれいに空が赤く染まる日もある。空より飽きない色はない。一日として同じ夕日はないのだと、そのときに気付いたんです。そして、こう思いました。「これまでに夕日をいくつ見逃して来たのだろう」と。その日から夕日を眺める習慣が毎日の日課となったんです。バス生活をしてからはいろんな場所から夕日を見てきました。


成瀬:その夕陽の話し、東凌さんはとても禅的だって言ってましたね。この無意識に見過ごしていたものに気づくことって、禅の思想にとても近いところがあると思うんです。今から10年くらい前に、サンフランシスコにあるお寺に1ヶ月ほどお世話になることがあって、好人庵の秋葉老子に禅を教わりました。そのときに教えてもらったのは、呼吸を吸って吐き、唾を飲み込むというこの無意識の当たり前にありがたさを感じて、自覚すること、でした。そこから禅に興味をもち、日常的に親しんでいたのですが、特にバンやお風呂でゆっくりとすると、小さな気づきがとても愛しくなる瞬間が増えてきたんです。


志賀:ぼくは禅の難しい話はよくわかりませんが、夕日を見ている時間はその圧倒的なビジュアルを前に見とれてしまう。余計な思考は何もかも忘れて、ただ自分がそこにいることを感じる感覚はわかる気がします。東凌さんとの出会いはなんだったのですか?


成瀬:今から5年前に京都に行ったときのこと。京都である人気のある坐禅教室に参加したのですが、それがとてもよかった。それを教えていたのが東凌さんだったんですが、話が本当に面白くて忘れられなかった。ちょうどそのころから、サウナと温泉、水風呂にハマっていて、ほとんど毎日通っているんですが、京都の白山湯で気持ち良くなったあとに坐禅をしたら、そのお風呂でトリップする感じが坐禅をしながら感じられるようになったんです。そこからたびたび坐禅をするときに、あの感覚に入れることがあって。一度チャネルが開くとそのスペースにいけることが楽しくなって、坐禅も楽しくなっていったんです。


志賀:そのころでしょうか。ぼくも東凌さんとのサウナにご一緒させていただきましたね。風にあたりながら「お風呂で禅はできるのですか?」と聞いてみたら、「たとえば、この1枚のタイルを1分間じっと眺めてみるといいですよ」と言われて感銘を受けたことを覚えています。でも、東凌さんと会ってすぐにサービス作りに発展したわけではなかったですよね?


成瀬:そうなんです。そこから、しばらくして東凌さんとお話しして、波を聴きながらする坐禅や、サウナ水風呂と禅が近い話とか、そういったプログラムをオーディオガイドでできたらいいな、という話をしたことはあったんです。でも実現にはいたらず。このコロナのタイミングで久しぶりに電話したところ、やっぱり話が面白くて。東凌さんの語る禅の話を、プログラムにしてたくさんの人に紹介できたらとっても価値があるんじゃないかと思って。東凌さんと話しながら内面を旅する感じがとても面白く、その体験をお裾分けしたいなと思ったんです。でも、きっとコロナのタイミングじゃなかったら思いつかなかったかもしれません。


志賀:ぼくは性癖的に「言語化できないもの」が嫌いで禅なんてその最たるものと思っていました。だって、ほとんどの人が「禅とは体験である」とか「無の境地だ」とか言って、それ以上、語ろうとしないんやもん。そんなん言われてもよくわからない。それでぼくは禅から離れていたんですが、東凌さんはそんなぼくにも辛抱強く言語化してくれる。ぼくは東凌さんの話を聞いているうちに禅に興味が湧いてきました。


成瀬:多分、何十年もずっと両足院に住みながら坐禅をし、修行をし、とにかく向き合った結果、自分ならではの言葉を手に入れていったと思うんです。だから、東凌さんならではの言葉にできるんだと思います。だから彼そのものをアプリにして、それを通して禅を暮らしにインストールできるようなサービスが作れないかと思いました。禅を、暮らしを豊かにする上での技術、ツールとして取り入れられないかと。そこでコロナ期間中にほぼ毎日話し合いながら、禅のプログラムを作っていきました。


志賀:現在も次々とプログラムを更新中で、座禅における内面旅行のテーマについてのプログラムも制作中です。ぼくはそこに興味があるなぁ。


成瀬:毎日の生活の中に禅を取り入れるにはどのようにしたら良いか?現代のビジネスマンにも活用できるのか?きっとこのアプローチは東凌さんならではのオリジナリティ溢れるもの。さらに今後は、ON THE TRIPで繋がりのある世界中のアーティストとともに、瞑想音楽(サウンドメディテーション)で内面探索を加速させていきたいと思っています。仕事をしながら、自宅で、あるいは、移動の最中に。リラックスやフォーカスできる音楽を、シーンごとにカスタマイズして制作しています。

一人ひとりに対話するように、
まるで手紙を書くように


成瀬:InTripのサービスは、東凌さんそのものを、プログラムにしてアーカイブ化しようという試みでもあります。それをシステムで単一化するのではなく、まるで語りかけるように伝え(実際に語りかけてくるのですが)、毎週オンライン坐禅を実施して一緒に座りながらユーザーからインタラクティブに質問もできるようにしたいと思いました。なるべく一人ひとりと対話しているような。そういったプログラムを目指したいです。


志賀:コロナの前からInTripのようなサービスをやりたいと言っていましたよね。


成瀬:いま、コロナ後でもそうでなくとも、心の内面への需要は高まっていると思っています。アメリカでは企業のメンタルヘルスを改善するために瞑想プログラムを作ったり、両足院にも企業やスポーツクラブからの依頼が増えています。知の巨人であるケン・ウィルバーは、瞑想することで新しい時代の価値観に気づき、欧米の経営者やリーダーの10%が瞑想をするようになると予測しています。事実、その数は増えています。


志賀:ぼくはそのあたりはまだ懐疑的です笑 でも、自分と向き合うきっかけが増えることはいいことですよね。


成瀬:人々は、自分と向き合い、内面にトリップしていきたい。でもこれは今に始まったことではないんです。つねに、人々は冒険に心躍らせています。ロケットで、月へ、火星へ、その先へ。地球をも超えた、宇宙探索。それと時を同じく、進んだ研究があります。禅やテクノロジーを駆使して、目に見えない心の宇宙へ、空間を超える旅へ。内面探索です。この冒険が、その後世界で広がるインターネット、クラウド化へと続いています。


志賀:その内面旅行の先には一体、何があるんですかね?InTripではどんなことを目指していきましょうか?


成瀬:ジョセフ・キャンベルという人が、千の顔を持つ英雄という本の中で次のようなことを書いているんですが、それがとても良くて。「我々は、もはや独力で冒険に挑む必要はない。古今の英雄が道を拓いてくれている、迷宮は知り尽くされている。我々はただ英雄の跡を辿ればいい。そうすれば恐るべき怪物に遭うはずのところで、神に出会う。他人を殺すハズのところで、おのれの自我を殺す。外界へ旅をするハズのところで、自分の内面に辿り着く。そして孤独になるハズのところで、全世界と一体になる。」


志賀:外への旅をすることで内面を旅し、内面を旅することで外の旅も楽しくなる、ということですね。


成瀬:InTripをとおしてたくさんの人が、うちへ外へと冒険に出ていってもらえたら嬉しいです。そしてその冒険の先は、自分たちが見つけていくものですが、キャンベルがいうところの全世界と一体になることかもしれません。


InTripに興味のある方、提携のご連絡は、info@on-the-trip.com まで気軽にご連絡をお待ちしています。

ON THE TRIP. ぼくたちの旅は続く。

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