あなたが働いているのは何のためだろう。お金を稼ぐため? それはもちろん、大切な理由のひとつだと思う。けれど、「お金を得ること」だけが目的となり、「自分」という存在を見失ってはいないだろうか。
これから紹介する山梨のとある機織りの産地は、かつてはとても栄えた町だった。しかしその町は、たくさんのお金を稼ぐことと引き換えに、自分たちの「名前」を差し出してしまった。他者からの要望に応えて、自分の名前は伏せたまま黒子のように働き続ける。それは、自分自身を犠牲にして、会社に殉じてしまう働き方と似ているかもしれない。
自分のやりたいことは何だったのか、やがて忘れてしまう。働けばお金は入ってくるけれど、後ろ盾がなくなったらどうなるだろう。山梨のその町は、時代の流れとともに人々の記憶から消えていこうとしていた。
今、再びその町で、機織りの新たな歴史をつくっていこうとしている人たちがいる。そんな彼らには共通点がある。それは、自分のブランドを持っているということ。自分のやりたいことが何かがはっきりしていること。そしてそれが他人からも求められること。ブランドとはつまり、「生き甲斐」を追求していくことでもある。
甲斐国と呼ばれたこの山梨で、生き「甲斐」を見つけ出した人たち。そんな彼らの生み出したものを紹介していこう。この旅が、あなた自身の生き甲斐を思い出させるものになればうれしい。
ハタオリマチ・富士吉田
忘れられた産地に
よみがえる生き“甲斐”
生駒山西麓・東大阪三社めぐり
生駒山のふもとは、なぜ「信仰のまち、占いのまち」になったのか?
御手洗まち歩き
江戸時代の面影に宿る
物語というタイムカプセル
〜風待ちdiary〜
柳川・川下り
水郷の風景はあなたの
記憶の中にも流れている
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