TIPS
・モバイルハウスの実例を見てイメージを具体的にする
・オフィスとして、家として、必要な機能をリストアップする
・キャンピングカー申請に必要な要件を確認する
モバイルハウスの実例を見てイメージを具体的にする
バスをオフィスに改造する。それも、素人がDIYで。
そんなことが本当に可能なのだろうか。ぼくたちはイメージを具体的にするところからはじめた。海外にも日本にもモバイルハウスの前例はある。まずはそれを集めてみることにしたのだ。
参考:青年「ハンク」は中古のスクールバスを買って旅に出る
参考:夢を詰め込んで!改造バンに暮らし旅する男の物語
上記の「改造バンの男」もPDFで配信しているが「改造マニュアル」を公開している人もいる。
参考:VANUAL
「VAN LIFE」のはじまりは、元ラルフローレンのデザイナー「フォスター・ハンティントン」による一冊から。ぼくたちの場合は「BUS LIFE」だが、彼の写真集「HOME IS WHERE YOU PARK IT」には多大なる影響を受けた。
参考:フォスター・ハンティントン人生のデザインVAN LIFEと始まり
そもそも「VAN LIFE」とは何か。お金がないからやっているわけでない。生活に必要な物はすでに満たされていることに気づき、誰にも支配されず、好きなことで生きて行く。その生き方に多くの人が共感した。
参考:契約金2億円の「メジャーリーガー」が、月8万円のキャンピングカー生活をする意外なワケ
参考:トラックの中で生活し「給料の90%」を貯金する、23歳のGoogle社員
しかし、日本で実践している人たちの情報は少ない。少なくとも「バスをオフィスにする」という前例はないように思えた。
オフィスとして、家として。必要な機能をリストアップする
ぼくたちのバスは、家であり、オフィスでもある。家として必要な機能を満たした車がキャンピングカーであるならば、それにオフィス機能を加える必要がある。そこで、ぼくたちがオフィスに求める機能を考えてみた。
1:打ち合わせができるデスクがあること
2:パソコンやデジタル機器を惜しみなく使える電力があること
3:冷暖房などの快適な空間があること
オフィスの定義は事業によって異なるが、旅のガイドアプリをつくるのに、大袈裟なプリンターもFAXもいらない。基本的にスマホとパソコンさえ使えればいいのである。
家としてはどうか。
1:眠ることができるベッドがあること
2:食事をつくるキッチンおよび、スペースがあること
3:プライベートな空間があること?
これらを考えることは不要な機能を捨てることでもあった。たとえば、トイレは公園やコンビニにある。シャワーがなくても温泉がいたるところで湧いている。水は多少のストックがあれば、あとは自販機に頼れるはずだ。
では、プライベートな空間についてはどうだろう。幸いにもぼくたちは、バスの外に出てカフェにでも行けば、プライベートを満たせるタイプの性格だ。とはいえ、バスに戻ればワンルームのシェア生活。家族のような仲間とでなければ「BUS LIFE」は難しいだろう。
具体的にはどんな1日になるのか。どんな1年になるのか。さらにイメージをふくらませていく。日本の道路事情を考えると、バスでの移動は限られてくる。旅先でバスを停めさせてもらえる場所を見つけたら、ある程度の期間はそこを拠点にして、自転車や公共機関を使って旅することもあるだろう。
となれば、一般的なキャンピングカーのように走行充電に頼るわけにはいかない。ソーラー発電をメイン電源としながらも、緊急時は各家庭のコンセントから電気をお借りして充電できるシステムが合っている。そうして、必要な機能をより具体的にしていくのだ。
キャンピングカー申請に必要な要件を確認する
このとき、「キャンピングカー申請」の条件についても調べた。「税金が安くなる」と聞いたからだが、バスを改造する場合は必須の申請となる。その具体的な条件はのちに紹介するが、簡単に言えば「キッチン」と「ベッド」があること。細かな寸法も決められているので、事前に調べておいてよかった。
参考:キャンピングカー申請のための要件
それらを踏まえた上で、設計図を書いてみる。しかし、素人が建築家のように書けるはずもない。そこで、ぼくたちが最初に憧れを抱いた「青年ハンクのバス」に立ち返ることにした。そのバスは作り方こそ明らかにしていなかったが、内装を写した何枚かの写真はあった。それを設計図に分解してみたのだ。何事も見よう見まね。何もできないなら、できることからはじめてみるしかないのだ。